ブレインフォグの状態から立ち直れた理由 -脳疲労とメタ認知-
この記事を音声バージョンで見たい方は「最近、頭の中が働かないのでナオ的に解決してみた。」をご覧ください。
noteでライトに知りたい方向けは「ブログのアイデアが出ないので分析してみた話」から
なんとなく、頭が働かないなぁと思ったことあなたにもありませんか?
今回は前回に引き続き、短時間でブレインフォグを解消した記録を残しておきます(ただし十分な睡眠を取って、体がきちんと休めている状態である場合においてです)
前回の記事について
文章と音声配信で語っています。お好みのほうをお選びください。
文章は、論文を中心にデータに紐づいています。
動画のほうは、ありのままで語っています。
- 長期入院中に思考がぼやける原因とは?─脳科学と実体験から考えるメタ認知の落とし穴(文章ブログ)
- 長期入院中に頭が回らなくなるあの現象 (音声記事)
からご覧ください。
前日の8月5日の時点では思考が働かなく、眠気に襲われ、思考ログが書けない状態でした。
では、どうして回復したのかを始める前に、午前中に以下の文章を書いてる途中に回復しました。
以下原文:なぜ、私は、仮説思考はなぜ浮かばないのか
分析が足りないから、だと仮定する。(→簡単なものを仮定することで仮説思考を促す)
なぜこのテーマを掘り下げたいのか、その情報を得て届けたい読者やリスナーに何を届けたいのかを考えることもヒントかもしれない。つまり仮説思考が弱くなっているため、先の読者に対して想定して考えられる能力が低くなっているため、分析を進め、客観視で物事や自分をとらえることのトレーニングでメタ認知を鍛える。
仮説思考を出すこと自体が、自分のメタ認知に関わってくるため、深いことを掘り下げて考えられる土台を築ければ傷の質にも影響を与える。
次からは自分の分析を進めるための素材を用意する
素材:私は、回避型の人間に興味がある
私は回避型の人間の行動に関して関心がある。
なぜなら、私は恐れ回避型だから。
私は見捨てられ不安が大きいが、人を避けることで関係性を築かないことで自分を守っている。
それでも恐れ回避型の特徴で人とのかかわりを完全になくすことはできない。
完全なら回避型なら、一人でいても、寂しくならないのかということに興味がある。
恐れ回避型の私は、他人を信頼することが難しいのに、拒絶されることや傷つくことを恐れる一方で、理解者を求めている矛盾があるからだ。
リアルな対人と交流をして、人に拒絶されるぐらいなら、ネットで私を知ってかかわりたい人だけ関わればいいと思ってしまう。
SNSのフォロワー解除は気兼ねなくやってほしい。
そうすれば傷つかなくて済むはずだ。
素材をもとに自分を分析してみる
- 傷つくことを恐れ他者との距離を取っている
- 理解者だけの少人数のコミュニティが欲しい。
- 自分に失望されても仕方ないと逃げ道を作っておく
- 傷つくことを避けたいがために感情をあまり表現してない(寂しいくならないだろうかぐらい)
- 本音を言いづらいことで他社との関わりを隔てている可能性
- それでも、理解者が欲しいが、過剰な責任を負いたくない回避型の特徴もある
まとめると、私は失望される前に予防策を講じ、過剰な責任感から逃れ理解者を得たいという一見矛盾した考えが浮かんでいる。これは恐れ回避型の特性として、よくある傾向のため、一人でいることで親密な関係性を築かないために守る自己防衛と、一方で見捨てられ不安、拒絶されることにおびえ自己肯定感が低いため、常に他社にどう思われるかを気にしすぎる傾向がある。関係性は築きたい、安全基地が欲しいのは傷ついた心を癒すためのこれもまた一種の防衛反応ととらえる。
なぜ回避型の行動に興味を持ったのか
- 自由でありたい
- 人がいなくても傷つかない自分でありたい
という考えが主にある。恐れ回避型のため、親密な関係を築くことで人間不信を克服したいという思いは幼少期の自分の虐待を自分が変われば人は受け入れてくれるという心の傷を癒したいからの行動ともとれるし、安全基地が欲しいという本能的な行動のため、避けることはできないのだろう。
分析結果から解決案(仮説)を立てる
結論として、受働型のリアクションがもらえることが喜ばしいのかもしれない。
自分から誰かと関わることは、精神的消耗が激しいため、少しずつ、自分を知ってもらうための段階としてSNSから記事を公開して自分の考えを出す方向性なら問題ないといえる。
結論:感情で書き出した文章を分析して解決案を考えると、メタ認知は高まる傾向にあるだろう(つまり仮説思考が生まれやすくなる)
メタ認知を向上させるのに仮説思考が有効なのは、仮説思考の段階で自分の思考が主観的かどうかを確認した上で、事実ベースで物事をとらえるという過程や様々な角度から物事を見つめ検証していくスタイルで、断言しないため思考の柔軟性が高まるからだと考えられる。
分析思考が仮説を生み出すのに最適なのは課題を発見するための認知リソースを活用すると考えられる。
情報がそろえば、創造性が刺激され、理論的なアイデアは浮かびやすくなる。
一方でデザインなどの抽象的なアイデアは、その時の感情によってアイデアの質が変わってくると仮定。なぜなら、デザインやアートは感情を刺激するための視覚的要素が含まれているからだと考えられる。
仮説は必ずしも正しいとは限らないけれど、実証した限り思い浮かぶことはあるので、この方法は妥当だと考えられます。
ここまで、まとめて感じたこと
ここまでの整理でだいぶメタ認知が回復してたきたのか頭の中がクリアになり、仮説が思い浮かぶようになりました。
昨日までとは違いまるで同じ景色でも、見える景色が全く違うかのように見えます。
具体的には
- 書く途中で、多角的に物事を見ることによってメタ認知のトレーニングが行われた結果、アイデア(仮説思考)が思い浮かびやすくなった。
- 他者や自己の課題を分析し、解決策を考えるアプローチをとるという行為を文章にすることで思考負荷が分散し、アウトプットしながら、思考のリソースが割いてくれる。
- ただし、思考負荷がかかっている状態で、これらのアプローチを書けると、逆効果(前頭前野の処理が上手く働かず、機能不全に陥る」
ということです。
具体的な根拠については今からご説明します。
書くことによる思考負荷の分散とメタ認知向上のエビデンス
- 文章化は思考の外部化(オフローディング)となり、ワーキングメモリへの負担を軽減し、より深く物事を捉えるためのメタ認知的リソースを確保できます。
- 日記やジャーナルライティングは考えを「見える化」し、振り返りや新たなアイデア創出(仮説思考)を促進します。
- 書いている間、情報は保持・展開されるため、一時的に頭の中の負荷が軽減し、自己観察や分析がしやすくなります。
- この仕組みは、適度な認知負荷であれば「思考リソースの再分配」となり、アウトプットしながら自己調整が進みます。
The Self-Regulation-View in Writing-to-Learn: Using Journal Writing to Optimize Cognitive Load in Self-Regulated Learning
認知機能の低下時やせん妄時のリスク
- せん妄(delirium)や認知機能低下があると、前頭前野を中心とした高次認知機能が障害されます。
- せん妄状態では、注意や遂行機能が急性に障害され、長期的な認知機能低下や進行性の認知症リスクが増大することが示されています。
- 前頭葉(特に前頭前野)は、同時に複数の情報を処理する能力に限界があり、過度な思考負荷や課題が重複すると処理機能が低下しやすいことが脳イメージング研究でも確認されています。
- 過剰な認知負荷をかけると、前頭前野のパフォーマンスが低下。むしろ思考が混乱し、認知的なパフォーマンスが落ちるリスクがある
- 認知的な「疲労」は前頭前野のキャパシティオーバーで生じやすく、集中力や意思決定、自己制御など全般的な機能低下につながります。
- せん妄状態では、前頭葉と関連領域の血流低下や神経伝達物質の異常が観察され、外からの刺激(たとえば複雑な課題や文章を大量に書くこと)がむしろ混乱や機能不全を助長する場合があります。
Association of Delirium With Cognitive Decline in Late Life: A Neuropathologic Study of 3 Population-Based Cohort Studies
Load-Dependent Prefrontal Cortex Activation Assessed by Continuous-Wave Near-Infrared Spectroscopy during Two Executive Tasks with Three Cognitive Loads in Young Adults
On the role of the prefrontal cortex in fatigue effects on cognitive flexibility - a system neurophysiological approach
The Locus Coeruleus Noradrenaline System in Delirium
書く行為の認知負荷限界に関する研究
- 適度な文章作成(アウトプット)はメタ認知や学習に有効だが、課題が過剰だと「思考負荷→不安増大→パフォーマンス低下」という悪循環に陥る
- 認知負荷が大きすぎると、書くこと自体が「パフォーマンス低下や不安増大」の引き金になることが報告されています(第二言語学習などでも同様)。
- 「書くこと」の効果は本人のリソース状況や体調・認知状態に依存し、脳の働きが低下しているときは逆効果(思考の混乱、疲労、ストレス増大)になり得ます。
Examining the relationships between cognitive load, anxiety, and story continuation writing performance: a structural equation modeling approach
根拠のまとめ
- 書くことは思考負荷を分散し、メタ認知や仮説思考を促進する効果が科学的に認められます。
- しかし、認知機能が著しく低下していたり、せん妄状態にある場合、前頭前野を中心とした高度な処理が破綻しやすく、かえって混乱や機能不全を招くリスクも存在します。
- 「アウトプット=常に良い」ではなく、本人の認知リソースやコンディションを見極めて適切に調整(負荷を減らす、小さく刻むなど)することが重要となります。
ここまで読んでくださった方へ
この個人的な体験をぜひ、シェアをしていただけると幸いです。
感想や質問を送る場合は、下のコメントか、SNSでのシェアに関しては、Xにおいて、@naomina121でメンションして感想を送っていただけますと返信させていただきます。
この記事に感想や質問がある場合、コメント欄にて受付しております。
※以下のフォームから匿名でコメントできます(「Add a comment」は「コメントを追加」の意味です)。