長期入院中に思考がぼやける原因とは?─脳科学と実体験から考えるメタ認知の落とし穴
長期入院中、「なぜか考えがまとまらない」「明日がうまく想像できない」──それはあなたのせいではありません。
長期入院を経験すると「物事をうまく考えられない」「頭がぼんやりしている」「自分を振り返るのが難しい」など、思考のぼやけやメタ認知(=自分の考えや状態を客観的に理解する力)の低下を感じる人が少なくありません。
環境変化や脳のストレスで“メタ認知”が一時的に下がってしまうのは、ごく自然なこと。大事なのは「焦らないこと」「一人で抱え込まないこと」です。
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はじめに:私の背景
私は、2025年5月19日から、統合失調感情障害で緊急保護入院して、今日(8月5日)で二か月近くなります。
それまでは、7月2日にパソコンの使用許可が取れ、VPSでサーバー構築し、Ghostのブログをデプロイするまでに活動的だったのですが、二日前から、考えが思い浮かばなくなったのです。
最初は、頑張りすぎてエネルギーが枯渇してしまう、燃え尽き症候群(バーンアウト)の可能性も考えたのですが、入院中の影響も関係していると考え調べることにしました。
具体的な症状は
- 頭の中に考えが思い浮かばない、真っ白。
- 考えが浮かぶときは、反芻思考(暗い思考に陥りやすい)
- 音声配信しようとしても順序立てて説明することが難しい
- 話のテンポが遅くなるため音声配信は台本が必要。
- テーマが思い浮かびづらい。
- AIとの対話で仮説思考で話していたが、仮説思考が生まれにくい。深い対話ができない。
などです。
ブログが欠けないのは私の、元来の完全主義も災いとなっている可能性があります。
しかし、これは私の怠けや気のせいじゃなく、メタ認知の低下が原因なのではと、疑いが出てきたのです。
思考のぼやけって何?(ブレインフォグの概念)
ブレインフォグとは、頭に霧がかかっているような状態のことで、具体的な症状としては(集中力低下、頭が回らない、忘れやすい等)が出ることを指します。
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うつや不安などのストレス、環境変化の関連性も指摘されており、こうしたことが原因で頭が回らくなるようです。
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特に、慣れない病院環境、不安、痛みなど、普段と違う環境に置かれることで、一過性の認知低下を起こしやすくなるというデータもあります。
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また、こうした理由から一時的なせん妄や長期の思考力低下が起こりやすいのです。
とくに重要なのはある研究ではせん妄が起こらなかった入院では、認知機能の能力が低下しなかったという研究もあります。
[Hospitalisation without delirium is not associated with cognitive decline in a population-based sample of older
people—results from a nested, longitudinal cohort study
Meta-Analysis Suggests Delirium Is Associated With Long-Term Cognitive Decline
メタ認知って何?なぜ下がるの?
メタ認知とは自分のことを客観視して見つめられる能力のことです。
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入院生活中にメタ認知が低下する要因としては、さきほど上げたせん妄や、外部刺激が少ないため認知機能が低下しやすい環境になりこのメタ認知も関連して低下します。
メタ認知と認知機能は密接に関係しており、低下した場合複雑なタスクをこなせなくなったり、言葉が出てこなくなったり、判断能力が低下し、人に判断をゆだねやすくなり依存しやすくなる傾向が見られます。
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メタ認知が低下した場合、向上する方法とは?
- 読書をして、感想文を書く(自分の考えを整理し、アウトプットすることで認知機能を鍛えられる)
- 患者と積極的に会話をする。あるいは、自室で、感情をノートに書きつづる(ジャーナリング)
など、アウトプットを積極的に行うことで自分の理解度をky客観視できたり、知識を取得したり、言葉を使うことで、言語機能が鍛えらえることから、認知機能が鍛えられます。
また、アウトプット後に自分の説明が適切だったかを振り返ると、より、再考察や、見直し、学びや成長の質を高めます。
つまりメタ認知とは、「継続して学習をしアウトプットし続ける」ことがカギになります。
人と話すときに、話を整理して人に伝わりやすいようにするにはどうしたらいいのかを考え、相手の感情を考えることもまた感情の学びとして効果的だといえるでしょう。
最後に
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今回の記事をnoteで軽く振り返りたい方へ
→私が長期入院で気づいた“思考の鈍さ”とメタ認知─脳と心のリアルな話
今回の記事を音声バージョンで聞きたい方はこちらへ
→長期入院中に頭が回らなくなるあの現象
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