統合失調症当事者が見た妄想の世界(ログ付き)
やはり、皆様が気になるのは、統合失調症の妄想状態の世界ではないのでしょうか?
統合失調症の頭の中の世界は理解できないけれど、見てみたいと思えることがあると思います。
知られざる世界を知るということは非常に多くの人々の興味をそそられるのではないのでしょうか?
妄想状態という世界を、一言で表現するならば「自己崩壊」と言えるかもしれません。
というのも、自分が信じてきた常識が変わるのと同時に自分の思考も変わり、見えないものが見えて、聞こえないものが聞こえるという状態の中で、普段の自分というものがかき消されて別の自分が行動をしているのではないかと思えるぐらいになるからです。
つまりは、怒りやすくなったり異性にアタックしたり、急に転職活動を始めたり、普段の自分がしないことをしているからです。
以前、私はYouTubeで人格が変わっていく流れの動画を出したのですが、まさに妄想状態というものはこの人格が変わること、考えがまともじゃないことにより自分が自分じゃなくなるという表現が適格になると思います。
もちろん、統合失調症は、100人が100人同じ症例になるということは珍しいため、症状も人それぞれです。
しかし同じことをいうなれば、きっと常識がまるっきり変わる世界にいるというのは正しいと思います。
たとえば、月はまるいものだと信じ込んでいた私が、周囲の人は三角だと言い始める。
私が見ている夜空に浮かぶ月も、写真で見る月も丸いのに、他の人々は三角だといいはじめる。
そんなような状況がまさに妄想状態の世界に陥っている感覚だと言えます。
私の妄想状態
さて、私の妄想状態はどうだったかというと、会社で後ろの席に座っている社員さんからひそひそ話で悪口を言われている感覚がずっとしていました。
上司に相談すると、「そんな声きこえてないよ、気にしすぎだよ、イヤホン付けたら?」とおっしゃられたのでそのようにしていました。
ちなみに、統合失調症の怖いところは何かというと、いじめで統合失調症を発症してしまっても、そのいじめという事実を隠蔽してしまえる恐怖です。
いじめを受けていたことすら被害妄想だったと言いきれてしまう、つまりは統合失調症の診断がついた時点で、何が正しいのかが本人の思考で下せなくなってしまうことです。
目の前で悪口を言われても、悪口を言った本人が悪口を言ってないよ、といえば統合失調症の病状のせいにできてしまう。
つまりはパワハラを受けたという状態で、それを立証するには、メモでは足りなく、実際に言われた悪口や暴言をボイスレコーダーにとっていないと立証できなくなります。
これからのことから、私は当初統合失調症の妄想からそう思い込んでいたのか、実際に悪口を言われていたのかを把握することはできません。
妄想状態に入ると幻聴も出てきていて、この幻聴もリアルに聞こえるため本当の声として判断できないためです。
妄想がエスカレートしてしまう。
確かにイヤホンをしている間は、悪口は聞こえませんでした。
しかしそれは実際に悪口を言われたからではなく、幻聴というものは、時として、イヤホンをつけていたかつけてないかに関わらず聞こえる時は聞こえるものだからです。
そうこうしていくうちに、次は会社で恋愛妄想が起こりました。
恋愛妄想とは何かというと、会社の職場の人が私を好きだと思っているという思い込みです。
恋愛妄想は根拠があるなしに関わらずに出現してしまう問題なので、非常に厄介です。
その次は、恋愛妄想から被害妄想が出てきました。
会社の職場の人が私に対して悪口を言っている、あることないこと言いふらしている、と感じ非常につらかったです。
その後、私の家までストーカーされるという幻覚までみえるようになりました。
最終的に入院
家にいても複数人の会社の同僚の声が聞こえ、部屋の両隣に会社の人が引っ越ししてきたと信じ込んだり、家の中に盗聴器や隠しカメラが仕込んでいたりという妄想に広まって、外にいても誰かに付けられているそんな妄想が頭の中を離れませんでした。
家の中に監視カメラが大量に仕掛けられて、お風呂やトイレなどにも仕掛けられており、さらにその家の中の様子をYouTubeのライブ配信をされているという妄想にまで発展しました。
そうした状況の中で、私は、ここまで嫌がらせをされているのは私が何かひどいことをしたんじゃないかと考え、私がいなくなれば、みんな喜ぶと思いました。
しかし、私が孤独死すると死体処理する人に迷惑をかけてしまうと思い、それに至らず・・・。
結局、精神病院に入院することで、迷惑をかけないようになるんじゃないかと思い、精神病院に電話をして受診しました。
病院の待合室ではテレビの音声すらも私の悪口を言ってるかのように聞こえました。
その結果、保護入院ということで、その場で保護室に入れられ、入院をしました。
二度目の再発
一回目の妄想状態ではまともな判断を下せないことが分かったのです。
そこで、私は知人から進められて、健康管理記録をつけ始めました。
これがいつもと違う状態に気づけるサインとなったのです。
私の症状が悪化していくと家事ができない、お風呂に入れない、身だしなみを整えられない、金銭管理がうまくできないということに気が付き始めました。
そして、数字に関しての妄想がでるようになりました。
妄想状態が出てきた状態で、「この考えはさすがにおかしいですよね?」と精神病院に電話をかけて入院に至りました。
その前から被害妄想や、恋愛妄想も入っていたのですが、その段階では、判断ができずに、病状が悪化していく中でようやく気付き始めたのです。
統合失調症というのは妄想が出る段階ではコントロールができませんが、妄想になりかけている段階なら、自分の異常に気づける可能性があります。
いつもと違う異変に、セルフチェックをしていくことで、自分がやばいなというサインに気が付き、病状を悪化させる前に休みを取るという選択肢も増えます。
ということで、統合失調症との戦いは、このいつもと違うを把握することで発症を抑えるということが要となっているのではと私は思います。
補足:似たような経験がある方へ
このような体験は「統合失調症の陽性症状」として分類されることがあります。
専門的な知識を得たい方や支援先を探している方は、以下のサイトも参考にしてください。こころの健康相談統一ダイヤル|厚生労働省統合失調症|厚生労働省精神保健福祉センター一覧(都道府県別)
現在の私の文章と妄想で書いていた文章は明らかに違います。
統合失調症の妄想時のメモ
最後に、私が病気の時に書いていた妄想状態のメモ帳を参考程度に載せておきます。(ちなみに100枚以上書いてます笑)






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