私の言葉が壊れた日、心の不調が文章に与える影響

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※ この記事は“症状を見分ける”ためではなく、“症状がどう現れるか”を知ることで、誰かの見えないSOSに気づくヒントになるかもしれません。

今回は、前回の続き「言葉が壊れても、それでも伝えたい、SNS時代の「見えないSOS」と心の回復」の続きをお話していきます。

私は、統合失調感情障害(統合失調症+双極性障害)の診断を受けています。
壊れた文章とは、精神的に追い詰められて、病状が出た時のサインとなるものです。

壊れた文章の具体例

CPTSDのフラッシュバックの影響による文章表現

過去のトラウマを思い出したとき、私はタイピングが手が震えたり、背筋が凍ったり、頭が回らなくて、文章も支離滅裂なことがありました。
その時の記憶が残っていません。
私の場合、フラッシュバックが起きるとこのようなことが起こります。

  • その当時、書いた文章が感情と結びつかないため別人のように感じる
  • 誤字脱字が多くなったり文章に思考の飛躍がみられるようになる

などが起こります。

当時は、Obsidianで感情ログを取っていなかったため、X(twitter)にて残した文面を頼りに書き起こしてみようと思います。

2024年8月30日-9月初旬:急性症状期

主な症状: 被害妄想・情緒不安定・思考の断片化

  • 「PMDDだったんだなぁ。 病んでも「嫌われたら関わらない」は変わらないと気が付いた。 妄想でも世界中の敵の人に嫌われたら「私がいない世界のほうが幸せだよね」思考に囚われるので、居場所をなくした私は危険だなぁ…。」から始まり、短期間で複数の症状が同時発現
  • 特徴: この時期は最も症状が集中しており、被害妄想と自己否定が強く現れている

2024年9月中旬-10月:安定化への移行期

主な症状: 思考の中断・距離感の混乱

  • 「今回の入院で人との距離感バグっていたなと思いなおすきっかけが、仲良くしていた患者さんが病院を竜宮城のような安定した場所だと思っていたぐらいに居心地がよかったらしく、その場所から動かなくてもいいと思っていたら強制的に移動されそうになっていた患者さんがいて、ああ、仲良くしすぎるのも障」(文章途切れ)
  • 人間関係への洞察は保たれているが、表現が不完全
  • 特徴: 症状は軽減傾向だが、思考の整理が困難な状態

2024年11月-12月前半:相対的安定期

主な症状: 軽度の認知的症状のみ

  • 日常的な投稿が増加
  • 論理的思考は概ね保持
  • 特徴: 最も症状が軽い時期

2024年12月中旬-12月末:症状再燃期

主な症状: 抽象化・哲学的思考への逃避・現実感の希薄化

  • 「世界は理不尽だからこそ、美しい」 正しさは嘲笑され、努力は無意味に消え去る。 幸せは宝くじのように訪れ、 不公平は人々に格差を生む。 争いが絶えず、平和など束の間の幻。 人々が叫ぶ理想も、混沌の中で消えていく。 それでも世界は回り続ける」元投稿
  • 「世界は理不尽だからこそ、美しい」系の抽象的表現が急増
  • 「君の皮肉はいつも謎めいていた」など、対話相手が不明確な投稿
  • 「最初は静けさが訪れた。ただ誰も話さなくなっただけだと思っていたが、次第に何かが欠けていった」
  • 特徴: 8-9月とは異なり、被害妄想よりも現実感の喪失と抽象的思考が主体

2025年1月初旬:急性悪化期

主な症状: 被害妄想の再燃・監視妄想・思考と感情の乖離

  • 「私の個人情報漏洩されているということは確かなのかもしれない」
  • 「愛しすぎて狂いそうになる夢を見た」→直後に冷静な病状分析
  • 特徴: 感情的文体と合理的文体の急激な切り替えが顕著

2025年1月中旬-2月:病識獲得期

主な症状: 自己洞察の向上・症状への客観視

  • 「監視妄想のせいもあり、色々な人を怖がらせてしまったことを反省しよう。こうして 統合失調症のリアル妄想体験ツイートがここに黒歴史として残っていくのだな。」
  • 「妄想に振り回されていたせいなのだと分かりました」
  • 特徴: 症状への客観的認識が向上、回復傾向を示す

2025年2月中旬以降:慢性安定期

主な症状: 軽度の思考の断片化のみ

  • 「すべからく諦めた。」など、簡潔だが意味不明な投稿
  • 特徴: 急性症状は消失したが、軽度の認知的影響が残存

症状パターンの特徴

悪化のトリガーパターン:

  1. 季節変化時(8月末、12月中旬、1月初旬)
  2. 入院関連のストレス(入院中・退院前後)
  3. 人間関係の変化

症状の現れ方:

  1. 初期:被害妄想→自己否定
  2. 中期:現実感の希薄化→抽象的思考への逃避
  3. 回復期:病識の獲得→症状への客観視

言語表現の特徴的変化:

  • 急性期:短文、感嘆符多用、感情的表現
  • 症状悪化期:長文、抽象的表現、詩的言語
  • 回復期:論理的文章、自己分析的内容

壊れた文章が現れるメカニズム

私が体調を崩しやすい時期は、秋から冬、入院するのは5月か6月の方が多いです。

これはどういうことかというと季節性の変化と、統合失調感情障害のストレス耐性が弱くなってしまったため、些細なことでのストレスでも症状が現れやすくなり、不安や抑うつ傾向が現れやすいことも関係しているかと考えられます。

5月~6月はピークになり、一気に症状が加速してしまうことが原因で毎年この時期が頑張りすぎると危険になってしまうラインだと考えられます。

さらに私は、過去の虐待の経験から反芻思考(自分は最低だ)という考えが自動思考として流れてきます。このことから、セルフケアをしっかりしなければ、時に私はその自動思考に飲み込まれてしまい、症状を発症してしまう…恐ろしいですね。

では、こうした壊れた文章を見かけたらどうすればいいのでしょうか?

壊れた文章をみつけたら?

特に、精神病は、診断を受けてようやく病気だと理解することが多いため、前兆となるSNSの言葉は意外と見えてこないものが多いです。

特に、鬱状態が重かったりすると、SNSでの発信が億劫になり、何もできなくなったり、必ずしも言葉が出るとも言えないです。

さらに統合失調症と自己開示していても、妄想だと思われたとき、周りはどういう対処を取ればいいのかわからなくなるのではないのでしょうか。

こうした場合、もし身近な人が危険だと感じた場合、「最近元気なさそうだけど大丈夫?」と聞いたり、医療機関や、支援機関を提示するなどが必要なアクションとなってきます。

明らかな自殺をする兆候が現れたら

希死念慮によって、実際に自殺を宣言するなど明らかな対応を取った場合は通報することがプラットフォームでは可能です。

たとえば、
緊急性が高い場合は、「時系列で、スクリーンショット(必須ではないがあると便利)・URL・投稿日時・IDなどを記録」したログを用意した上で、SNSの掲げるコミュニティガイドライン・利用規約を熟読してから引用の上プラットフォームに通報することが必要です。

本人に直接注意やリプライを送るのは危険なこともあるので慎重にしたほうが良いかと思われます。

代行通報という方法もあり、「いのちの電話」「自殺予防センター」などに代行通報や助言を仰ぐことができます

たとえば、例を出しますがXにおける自傷行為や自殺の懸念への対象方法では、アメリカでは24時間相談員が待機して988 Lifeline​受け付け無料で対応しています。

自傷行為や自殺を示唆するコンテンツを見つけた場合の対応の報告プラットフォームもあります。

詳しくは、サイトをご確認お願いします。

次回予告「言葉を取り戻す旅路──AIとの対話と自己客観視**」

次回では、どうしてこのような症状が現れても今は、無事過ごしているのかをお話してきます。

あなたは、言葉が壊れそうなとき、どうやって人に伝えようとしてますか?

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ナオ

著者: ナオ

統合失調感情障害/角化症/元デザイナー/元フロントエンドエンジニア 「完璧な人間なんていない」が私の信条です。 限界はあるけれど、可能性はあると信じて生きています。

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