断定口調で言われると正しいと思ってしまう現象あるある
📖著者: ナオ
残念ながら、100%正しい事実はない
この見出しを見た時、あなたは、「確かに、そうだ」と思っただろうか。 それとも「果たしてそうなのだろうか」と疑問に思っただろうか。
実は、断定口調は一見正しいことのように見えて、正しいとは限らない事実がある。
見出しとして、もし、正しさを要求するならば、「残念ながら、100%正しい事実はあるとは限らない」が正しい。
断定口調の罠には他にも色々な例が存在する。
占い師が良く使う、コールドリーディングもそうだ。
占い師は、誰にでも当てはまる内容を、あたかも個別の診断であるかのように伝える。
- 「あなたは普段は気にしない性格ですが、失敗すると意外とくよくよ落ち込んでしまうことがありますね。」
- 「今、あなたは不安があるから、ここにきた、そうですね」
- 「人には理解されにくいですが、あなたは良く回りに目を配って動いてますね」
- 「あなたがここに来るほどの行動力が、普段も何でも挑戦する原動力となっていることが分かります。」
一見して、そうだと思える内容だが、実際には根拠がある。
まず、コールドリーディングのテクニックには心理学が応用されている。
たとえば、なるべくYESを言わせると言うテクニックがあるのだ。
これは信頼を勝ち取るための手段の一つである。
人は、自分が正しいと判断した内容をなるべく、そうなのだろうか、と疑いにくい性質がある。
イエスの回数がそんなに影響するのか? 実は、大きな影響を与える。
実は、この方法は無意識に相手に自己開示をさせてしまう。
人は、自分の行動に一貫性を持たせる一貫性の原理の影響を受けやすいことから、自己開示を進めたことで、私はこの占い師を信頼しているはずだと思い込んでしまうのだ。
さらに、自分の考えを裏付ける情報ばかりを重視する確証バイアスの影響も加わることで、一度納得すると、占いの内容を疑いにくくなるというバイアスもかかりやすい。
であるから、自己開示を出しながら、イエスを引き出すというのは「認知バイアス」の影響も受けやすいことで、占い師を信じ込みやすいという罠に引っかかるのだ。
そのため、この方法は、実に、深層心理を付いている。
考えても見ての通り、占いに来る時点では半信半疑だったはずかもしれないが、占いをしていく内に、自己開示をしていく流れで、自分が信頼してない相手に情報を与えているとは思いたくない、すなわち疑いにくい心理が出てくるからだ。
と、ここまでの話を振り返ってみると、すべて断定口調だったと気づくだろう。
そう、断定口調というのは、間違えた情報があったとしても信じられやすいという特徴がある。
それなりの筋道が通っていればさも当たり前のように聞こえてしまうのだ。
正しい情報とは何か?と考えた時、自分はこの情報に踊らされていないのかを考えたほう良い。
情報を鵜呑みにするのではなく、本当にそうなのか?と立ち止まる習慣をつけることが大切だ。
とはいえ、断定口調は、「間違いを信じさせるためのもの」という認識を植え付けたいわけではない。
断定が悪いのではなく、無批判に受け入れることが問題だからだ。